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書評ライターKonomuの苦悩

フリーライターの悩みと打開策、日々の出来事などいろいろ書いています。

衝撃のパフォーミングアーツ「VESSEL」

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9月第1週目の週末のお話。京都岡崎音楽祭(KYOTO OKAZAKI LOOPS)に友達3人と行ってきました。
京都の岡崎エリアで3日間にわたり、音楽ライブやダンス公演など多彩なプログラムが朝から晩まで展開される音楽祭。当初、私の目的は大橋トリオのライブでした。

1日セット券なるものがあり、パーカッションデュオ、VESSEL、大橋トリオの公演をチョイス。3ステージすべて素晴らしいものでしたが、とりわけ衝撃を受けたのが「VESSEL」。
okazaki-loops.com

森山未來くんが出演するのに、どうしてロームシアター京都のメインホールじゃないんだろう?」メディアや海外からの招待客も大勢いる中、ワクワクドキドキしながら着席。

ここからは舞台を観た人それぞれが受けた印象になりますが、私にとって本当に衝撃的な舞台でした。

開演の合図とともに会場は漆黒の闇に。怖いほどの静寂とぴんと張り詰めた緊張感。目を開けていても閉じていても光の一筋さえ感じられない闇の世界。(生死の境目がわからないな……)とか考えていました。
しばらくして照明が当てられたステージには7人のダンサーが。頭部を見せない「ヘッドレス」という特徴的なポーズで、体を重ね合ったり這いつくばったり仰向けになったりしながら、終始「何か」を表現しているんです。人ではない「何か」。それは私の目には性別も人格も持たない「固体」に映りました。エロスとカオスと無邪気さを持つ固体達。

手足の動きはもちろんのこと、静止している間も肩甲骨や筋肉の動きで感情を表現する7つの固体は美しくも恐ろしく、気づけば一瞬たりともその動きを見逃すまいと食い入るようにステージを見つめていました。

顔を見せない7つの固体の中に、森山未來くんがいるはずなのですが、最後の最後までその存在はわかりません。1つだけヘッドレスのポーズを解き、顔を上げる固体がいるのですが(それが森山未來くんだった)、その様子はまるで禁忌を犯し「固体」から「人間」へと堕ちていくかのようで……それが転生なのか死を意味するのか、はたまた両方なのか。とにかく衝撃的過ぎてその衝撃をいまなお言い表せないでいます。とんでもないものを見てしまった。

この京都公演が初演となるVESSEL。2公演のみ、それぞれ700名、計1,400名しか見られない希少な公演。終演後はこのプロジェクトの2本柱、振付師のダミアン・ジャレ氏と舞台美術を担当する名和晃平氏のディレクターズトークに参加し、舞台制作の秘話や2人とダンサー達との出会いなど、さまざまな話を聞くことができました。(なんとロームシアター京都のサウスホールと同じ規模のステージを作ったそうです)

今後、この舞台はいろんな進化を遂げていくんだろうな、と思います。それはそれで素晴らしいことだけれど、本当のオリジナルを見られたラッキー感とハッピー感、ちょっぴりの優越感。これは1,400人にしかわからない感覚かと思うとぐへへとなります。ぐへへ。

benesse-artsite.jp

VESSEL inujima 2016年10月15日(土)全1回公演

YOKOHAMA DANCE COLLECTION

VESSEL yokohama 2017年1月26日(木)-29日(日)全4回公演

犬島は野外、横浜はまた異なるステージになるので、内容も演出も少し変わるとのこと。観られる人はぜったい観たほうがいい。そんなパフォーミングアーツです。