「神戸 #ライター交流会」レポートその2~合同質疑応答タイム:関西人魂が世の中を面白くする!~
「神戸 #ライター交流会」レポートその1。
思っていた以上にたくさんの方に読んでいただいるようで、うれしく思います。
感想を言ってもらったり、☆をつけてもらったり。本当にありがとうございます。
『鉄は熱いうちに打て』
ということで、レポートその1に続き、その2では合同質疑応答について紹介します。
個人的な感情をなるべき省き、レポートに徹しているので、熱量、温度感は伝わりにくいかもしれません。ご容赦ください。
私の「ワー!キャー!」はその3から盛りこんでいきます。
質疑応答スタイル
記憶がおぼろげですが、スライドには質疑応答ではなく”合同質疑応答”と書かれていた気がします。
そのスタイルは、一人ひとりが手を挙げて質問、というものではなく、各テーブルから一つ質問、というもの。
全部で9テーブル。質問も9個飛び出すということです。
他のテーブルがどうだったかわかりませんが、私が座っていたテーブルでは、感じの良い男性が指揮を執ってくれたので、自己紹介、名刺交換から質問をまとめるまでとてもスムーズに進みました。
私たちのテーブルはライターと名乗る人は私のみで、あとはコンテンツ運営者、企業の採用広報担当、人材教育のコンサルタント、大学院生と多様な顔ぶれ。皆さんのおかげで、交流会が苦手な私の肩の力が良い意味で抜けました。
私たちの質問は、「炎上はありか?なしか?炎上したときはどう回避すればいいか?」です。
この質問は6人のうち2人から出たもので、テーブル満場一致で決まりました。
質疑応答スタート
最初に言い訳しておきます。
質疑応答タイム兼交流会という時間になってしまったので、ケータリングを取りに行ったりそのまま話が盛り上がったりと、会場全体がガヤガヤしていたので、聞き取れない部分もありました。
ですので、ちょっと違っていたり抜けていたりしても、ご愛嬌ということでお願いします。
Q1.ノンフィクションライターになるきっかけは?
近藤:旅しながら途中途中で雑誌に記事を書いて送っていました。徐々に連載が持てるようになった。3年目ぐらいから食べられるようになったかな。中国とか本当に安くて、年収30万円で生活できるんですよ。海外だからできたけれど、逆に皆さんどうされてるのかな、と。
ヨッピー:ライターになりたくてとっかかりがないなら、まずブログをやりましょう。まずは書く。書きたいものを書いてみる。それが1番大事。
Q2.スベらないという判断はどうやってできますか?
これは、おもしろい記事を世に送り出しているヨッピーさん、社領さんに向けられた質問でした。
ヨッピー:昔ブログを書いてた時代に、どの記事がウケるかはわかるようになって、なんとなく理解してからライターになったから、今は世に出す前にわかる。
社領:最初の方はスベったこともあったと思うんですけど・・・(社領さんのお話が周りのガヤガヤで聞こえませんでした)
ヨッピー:スベった記事は"ただ読まれなかった"だけ。だから心配しなくていい。
Q3.おもしろい記事を書くコツは?
SEOを意識した質問です。それに対するヨッピーさんの答えは実にシンプルでした。
ヨッピー:別におもしろくなくてもいいんじゃないですかねぇ。SEOを意識するってことは、検索流入で入ってくるってことじゃないですか。検索流入で入ってきた人たちって、おもしろさを求めているかというと、求めてないんですよね。検索で入ってきた人たちにとって、良い記事を提供しようという意識でやっていけばいいんじゃないですか?本人がおもしろいことやりたいんだったら別ですけどね。
SPOTに、ヨッピーさんによる大阪観光の記事があります。これは検索で入ってきた人にとっても親切なんですよね、とおっしゃってました。本当に親切です。
時間を押しているので、宮脇さんがどんどん進めてくれます。
Q4.売れるライターの共通点は?
これは、ライターじゃない方からの質問でした。
近藤: ライターで食べていくということは、依頼された仕事をしっかりやるってこと。クライアントの意図をちゃんと読めるか、ということは大事だなと僕は思います。意図を汲んで自分なりに形にできるかどうか。
ヨッピー:気合いが入っている人です。
宮脇:気合いもそうですけど提案もできるんですよね。提案ができる人って重要ですよね。
近藤:クライアントに対して、言われたこと以上に、こうした方がいいんじゃないかって提案する。それってすごく大事で、それがうまくいくと信頼される。書く専門家だからこそ言えることってあるんです。
ヨッピー:プロとして、クライアントの言うことをただ聞くだけじゃなく、おかしいことはちゃんと指摘できることが大切。
Q5.Web記事にも校閲があったほうがいいと思いますか?
かわいらしい女性からの質問。校閲に興味があることからこの質問が飛び出しました。ドラマ『校閲ガール』を思い出しました。
宮脇:えーっと、まずはヨッピーさんかな。校閲いります?
ヨッピー:校閲はいりますよ。間違っていたときに、責任どうするのかって当然なりますからね。僕は必要だと思いますよ。理想として(校閲は)なきゃダメだと思います。そうあるべきだし、そうあるよう、みんなでしていけたらいいんちゃうかな。
近藤:▲▲社の校閲ってすさまじんですよ。(ここからは、そのすさまじさについて熱く語られます)。きちんとしてもらえると、ライターと校閲で信頼関係ができる。だから、校閲の仕事はすごく大事で、お金かけるべきだと思う。
Q6.炎上はありか?なしか?炎上回避のコツ?
私たちのグループからの質問です。すっとヨッピーさんがマイクを取りました。
ヨッピー:炎上するかしないかは気にしなくていいと思います。僕もいつかはするだろうな、とは思ってたので。ただ、炎上商法は確実にやめたほうがいい。炎上マーケティングと呼ばれている人たちって、取れる選択肢がなくなってくる。ブランドもつかなくなるし、やりたいこともやれなくなる。批判は恐れなければならない。なぜなら、批判してくる相手は、こっちの言うことを聞く態勢ではないから。でも、自分の発言に影響力を持たせたいなら、批判されずに自分の我を通す方法を考えなければいけないんですよね。それを試行錯誤することが大事。炎上をビビる必要はないけれど、炎上はなるべく回避しようとしたほうがいいんじゃないかな、と思ってます。
社領:私、本当に炎上したくなくて。とにかくみんなが幸せになる記事を書きたい。
宮脇:近藤さんは炎上とかあまり関係ないと思うんですけど。
近藤:炎上とかむしろうらやましい。炎上してるってちょっといいな、って。
Q7.駆け出しの頃、どうやって仕事を増やしていたか?
ヨッピー: 人生でライターとして最初にもらったのが1本2,000円。ちなみに経費も2,000円ですわ。最初は自腹切って書いてましたよ。書くことによって赤字になっていった。当時はそれでもいいやと思えるヤツしか生き残れなかった。繰り返しやっていくことで、だんだん(単価)を上げていったんちゃうかな~って思います。
宮脇:近藤さん、最初の仕事って覚えてます?
近藤:海外出てから、自分で記事を書いて出版社に送ってた。向こうはおもしろいものを求めているはずだから、完成品を送ればけっこう返事がくることがわかった。ヨッピーさんがおっしゃるように、マイナスからカタチにしていった。僕はそれを東南アジアで物価を下げることで維持してましたね。
ヨッピー:補足しておくと、何もブラックに働けってことじゃないんですよ。まともな会社だったら1万円の依頼に対して、10万円の仕事をしてきたら、次からはちゃんと10万円払おうってなるところが多いはずです。ただ後払いでしかない。最初、割に合わない状態は仕方ない。割に合わない状態が1年続いたら、向いていないのかもしれないし、足りていないのかもしれない。基本、ちゃんとやればあがっていくから大丈夫じゃないかな。
近藤:Webは個人個人で変わってくるってことですか?紙の場合は、原稿用紙いくらの話です。大御所が書いてもそう大差ない。僕の場合、東ティモールという国がちょうど独立20年で、1ヶ月くらいかけて書いて▲万円くらいかな。でもこれを10年後にやっても、大して変わらない。
ヨッピー:Webのいいところって誰かが見てくれてるところですよね。数値化されているので競争原理が働いてるんです。その点では公平かな、って思ってます。
Q8.仕事の選び方は?
ライターさんからの質問です。
ヨッピー:インターネットにとっていいもの。そうじゃないものは書かない。自分本位じゃないです。
宮脇:社領さん、どうですか?
社領:私、自分本位で書いてるから、申し訳ないなって思います。まず、(自分が)会社にいる時点で会社にとっていいものであるか、宣伝になるか。自分の色を出せるものを書いているかってところを大切にしています。
近藤:ヨッピーさんのように、自分の信条を大切にしてますけど、依頼する人の情熱も大切だなって思います。依頼主の雰囲気がいいと、興味のないジャンルでもこの人と仕事したいと思う。
Q9.Web優勢だからこそ感じる紙媒体の良さは?
Webで書いていて、今年はじめて紙で出された方からの質問。
ヨッピー:紙で書いたことがないからわからない。
近藤:紙はクオリティの面で、制限があることが重要。サッカーで足しか使えないからこそ出る緊張感ってあって。文字も、2ページに収めなきゃいけない、写真の枠はこれしかない、小見出しつけたら間ができちゃったからずらさなきゃおかしい。そういうWebにはあり得ないことがあって、そこに工夫をすることで、技術がついてくる気がする。緊張感があって好き。制限があるからこそ、いろいろ工夫が生まれる。
宮脇: 社領さん、紙やってみたいですか?
社領:紙はねぇ。実力が足りない。
宮脇: 紙とWebの違いって、届く人の範囲なのかな。
近藤さんは、紙にある不自由さに魅力を感じていて、そこに活路を見出そうとしているそうです。
質疑応答終了!(その3へ続く)
ヨッピーさんからは、次々と名言が飛び出しました。
社領さんの「みんなが幸せになる記事を書きたい」という想い、とてもステキですよね。
近藤さんの「紙の制限と緊張感、不自由さ」という話は、私の心にコーンと響きました。
60人参加とのことでしたが、きっと60人それぞれの質問、疑問があったことでしょう。
ちなみに私の質問は「チーム・パスカルって誰でも名乗っていいですか?」で、思い切り個人的な質問なので、交流会のときに、パスカルの大越さんに直接ぶつけてみました。このお話は次回のその3で。
私の感情や興奮を抜きにして、ライター交流会の”レポート”に徹したのはここまでです。この2でライター交流会の雰囲気は掴んでいただけるのではないかな、と思います。
その3の冒頭の話を少し。
「交流会が苦手」と公言する私が、勇気を振り絞り、参加を決意した大きな理由は、地元であることと、チーム・パスカルさんの存在です。
交流会への苦手意識を払しょくできたわけではありません。
でも本当に実りある1日でした。
このように、その3(場合によってはその4まで)以降は、主観を交えながら興奮や感動をお届けします。もしよければ引き続きお付き合いください。
※その3で終わります。(2017/08/10)