書評ライターKonomuの苦悩

フリーライターの悩みと打開策、日々の出来事などいろいろ書いています。

身命を賭して挑む世界

著作権や肖像権、ややこしいので写真UPは控えます。公式サイトのリンク貼り付けは問題ないかな?
satoshi-movie.jp

毎月1日は「映画の日
久々に時間を作ることができたので、ずっと見たかった映画「聖の青春」を見てきました。(見る、と、観る、Twitterで間違えて使っていました。日本語にごめんなさい。)

でも本当は映画は苦手です。私は視覚で物事を記憶することが多いため入ってくる情報量は半端ないし、感受性も豊か過ぎるので、ヒューマンストーリー作品は極力控えています。

見たかった動機は「秦基博が主題歌を担当したから」です。映画ver.のPVとマッチしていて期待に胸を膨らませて鑑賞予約しました。が、PVにうまく裏切られた感じです。

以下、ネタバレにならない程度の個人的な感想を記してみます。
羽生善治を追い詰めた棋士村山聖。「東の羽生、西の村山」と称された天才棋士の29年という短い生涯の物語。静かに進むストーリーの中で、(それって自業自得で自己管理がなっていない結果じゃないの?)と悶々としたり、突然出てくるシーンに(これってここで必要?)とか思ったり、作品にのめりこむというより冷静に見ていました。

ところが。映画館を出てから心にズドンと何かが落ちてきて、胸が苦しくなりました。

私はさんまさんが言うように「生きてるだけで丸儲け」と思っています。生きていれば何度でもやり直せるし、私の本当の仕事は「私の人生をひたむきに生きる」ことだと思っています。それ以外の仕事には代わりがいくらでもいますよ。ちょっとやそっとで命を投げ出すものではありません。

でも、そうではないのかもしれない、と痛感させられたのです。異次元の世界で生きる人たちにだけ見える景色。身命を賭して戦い続ける意味。それはいったいどんなものなのだろう、と。

村山聖を演じた松山ケンイチ、まだ存命の羽生善治を演じた東出昌大。将棋の駒を指す指、対局の合間の両棋士それぞれの癖、ほんの少しの所作の感情表現、お見事でした。役であることを忘れさせるほど本人そのものでした。他のキャストもすごかったです。

好みははっきりと分かれる作品ですが、傑作であることに間違いありません。

公式サイトを見ていなかったので、エンドロールで筒井道隆の名前が出るまで、その方が筒井道隆であることに気付かなかったです。あすなろ白書のカケイくんはどこへいったんだろう。でもやさしい声はそのままでした。
近年の映画世界にリリー・フランキーは必要不可欠な存在となってきていますね。