書評ライターKonomuの苦悩

フリーライターの悩みと打開策、日々の出来事などいろいろ書いています。

最近、ほんのちょっぴり記名記事・コラムにこだわった理由

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最近、仕事の内容が変わってきたように感じます。いえ、実際変わってきています。
インタビューや取材が増えてきたんですよね。とっても楽しい。

なぜだろう?と考える間はありません。
きっかけは、ノオトさん主催の「神戸 #ライター交流会」でのチーム・パスカルのみなさんとの出会い、です。

特に、大越さんからいただいた厳しくもあたたかい指摘とアドバイスは、私の考え方、仕事への向き合い方を根本から変えてくれるものでした。

物書きに関する勉強を一切したことのない私。
自己啓発本より小説や物語、マンガをこよなく愛する私。
でも、高校受験・大学受験で現国や古典、英語を人一倍勉強した私。
(理学部物理学科なのに物理と化学が超苦手でした)

これを言っちゃぁ身も蓋もないかもしれませんが、5度の転職を繰り返し、なんとなくフリーライターという職業にたどり着いたのです。

会社での”無駄にヒマな時間”が好きではなく、”すきま時間”とGoogle検索して、ランサーズを見つけて『ほうほう、こういう仕事もあるのか』と登録して……がライターの始まりなんですよね。

最後の会社での”無駄にヒマな時間”とおつぼネーゼのいじめに耐えられなくなり、退職したのが今から1年半ほど前。
その後、3カ月ほどの充電期間を経て、ライター活動をスタート。

1文字0.5円のキュレーション記事も、アフィ記事も、エンタメ系記事も書いたけれど、一番向いているな、と感じたのが求人広告と書評でした。
この時点で、ランサーズとは別に転職エージェントとパートナー契約もしていたなぁ。

でも、このまま「なんでもできます!やります!」だと目の前のことに一生懸命になるだけで成長につながらない、と悶々としていました。

そんなとき、繰り返しになりますが、出会ったのがチーム・パスカルのみなさん。

「この名刺じゃ何やってるかわからないよ~!」
「顔出しするならもっとば~んってしたら?」

などなど、たくさんアドバイスをもらいました。

大越さんからは、

  • 記名記事を書くこと
  • 自分のサイトをつくること
  • 営業すること

を、実際バリバリ活躍されているライターさんのサイトを見せてもらいながら、具体的なアドバイスをいただきました。

それから、私の意識と視点がずいぶん変わりました。

例えば、ファッション雑誌に紹介されている本に添えられている書評(記名)。
例えば、新刊の本の帯。
例えば、電車の中吊りの広告。

いたるところに『書く』仕事があるんだなぁと。

よし、まずは記名記事を書くことをやろう、と。
それは”書評”であるとうれしい、と思っていたところ、2件、記名の書評コラムのお仕事をいただいたのです。

ビジネスコラムに近い内容だったので、それらが公開されるとともに手がける仕事も求人広告だけでなく、企業インタビューの仕事が増えていきました。

ビジネスコラムへの企画出しにも積極的になりました。

器用貧乏は相変わらずなので、海外旅行や音楽についての記事執筆も好奇心がむくむくと湧いたらつい食らいついていますが。

ライターひよっこの私だけれども、社会人経験の長さとビジネスマナーについては、自信があるので、企業さんと一緒に仕事をしたい。

ビジネスコラムの記名記事があれば、実績として前よりは少し自信を持って企業さんへアピールできる!

ということで、最近ほんのちょっぴり記名記事にこだわっておりました。

これからも記名記事が増えるといいなぁ、とは思いますが記名無記名へのこだわりは特にありません。

納品する記事がエンドクライアントの役に立つものであればそれでもう十分ですから。

これからやりたいことと言えば

 

  • 自分のサイトをつくる(MUSTです)
  • 雑誌のほんのちょびっとした隙間でいいので、書評を添える
  • 企業もカフェもショップもイベントも、もっともっと取材したい
  • 本格的な仮想通貨記事を書く(これはビジネスコラムのサイトがいい)
  • ライター&インベスターになって、世界を旅しながらゆるく仕事をする

 

日本はとても住みよい国だと思いますが、生きづらさもあるので、世界あちこちの価値観をうまく取り入れながら生きていくのが最終目標。

他にもやりたいことはたくさんありますが、焦らず自分のペースで。納期厳守で。

秋の夜長にタイムスリップ!オススメ時代小説5選

もう少し若い頃は、1週間に1冊、月4冊、年間約50冊の本を読んでいた私。

もっともっとたくさんの本を読んでいる読書家は、数多くいらっしゃると思いますし、そんな読書家さんとくらべると恐縮ですが、せっかく”読書の秋”なので、個人的にオススメしたい本をシリーズ化してブログで紹介していきます。

作者ごとにするか、ジャンルごとにするか迷いましたが、今回は『時代小説』というジャンルでの紹介です。

時代小説ってなに?歴史小説と同じじゃないの?

時代小説は歴史小説とは似ているようで違うジャンルです。
「実在の人物が登場して、史実に沿って話が進む」のが歴史小説
それに対して時代小説は「過去の時代背景を用いて、架空の人物、または史実に沿わない歴史上の人物の活躍を描く」もの。

『呪文を唱えたら炎が出た』『妖怪があたかも人間のように暮らす』

超常現象を含む架空の世界であるファンタジーの舞台が、江戸時代だったり、平安時代だったりするようなものです。司馬遼太郎先生の諸作品は歴史小説ですね。

それではオススメ時代小説を紹介していきます!
数字はランキングではありません。すべてがオススメです!!!

1.『ぼんくら』/宮部みゆき

ぼんくら

長編好きにも短編好きにもオススメ。
本作の主人公はいわゆる「ぼんくら」な怠け者の用心棒、平四郎です。

一話完結型のエピソードを読み進めていくと、長編ミステリーへとつながっていくという構成になっています。

宮部作品の魅力って、登場人物の描写にあると思います。
本作も愛らしい平四郎だけでなく、みんなの世話役・未亡人のお徳や事件をともに探る美少年で頭の切れる甥っ子・弓之助など個性豊かなキャラクターが登場します。

『ぼんくら』の後に『日暮し』『おまえさん』とシリーズ化されており、続きを読み進めたくなること間違いなしです。

宮部みゆきさんの時代小説は他にもオススメしたいものがたくさんあるので、作家ごとのオススメ小説で紹介したいと思います。

2.『しゃばけ』/畠中恵

しゃばけ

江戸の大店長崎屋の一人息子である一太郎(若旦那)と、愉快で愛嬌たっぷりな妖(妖怪)が繰り広げる、心あたたまるファンタジーです。

畠中恵さんは2001年にシリーズ第一弾となる『しゃばけ』で日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞し、デビューされました。

ちなみに『しゃばけ』はNHKでドラマ化されています。
若旦那はNEWSの手越祐也さん。
仁吉(若旦那のお守り役)を演じる谷原章介さんや、妖の一人で鈴彦姫を演じる早乙女太一さんの美しさったら……

しゃばけ』シリーズはこれまで全15作が刊行されています。
シリーズを追うごとに若旦那もきちんと年齢を重ねていくので、まるで我が子の成長を見守る母親であるかのような気持ちにさせられます。

畠中恵さんも同じく、他にオススメしたい小説がたくさんあるので、作家ごとのオススメ小説で紹介したいと思います。

3.『陰陽師』/夢枕獏

陰陽師(おんみょうじ): 1

主人公の安倍晴明は、平安中期の天才『陰陽師』。
安倍晴明自体は実在の人物なのですが、清明の史実はあまりに不思議なことが多いので、ファンタジーと絡めて描かれることが多いです。

ずっと以前から、書きたくて書きたくてたまらなかったのが、平安時代の話である。
闇の話を書きたかったのだ。
鬼の話を書きたかったのだ。
その頃には、まだ、闇も鬼も、人の居る空間に残っていたからである。
そして、安倍晴明という男の話を書きたかったのである。
その思いがかなって、およそ、足かけ三年ほどかけて、あちらこちらに、ぽつりぽつりと書いてきた、安倍晴明という陰陽師の話が、ようやく本になることになった。
こんな嬉しいことはない。
晴明と博雅のかけあいは、書いていても楽しかったよ。
いい気分だ。
(著者あとがきより)

夢枕獏さんの想いが伝わる作品です。
決しておどろおどろしいストーリーではありません。
知らず知らずのうちに「怨み」を生んでしまう人間の哀しさが、一編一編の話からにじみ出ています。

「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。

本作内の晴明と博雅のこのやり取りこそが『陰陽師』。
抜粋過ぎて意味がわからないと思いますが、読めばこのやり取りこそ!の意味をわかってもらえると思います。

陰陽師』シリーズはこれまで全16作が刊行されています。
晴明を野村萬斎、博雅を伊藤英明が演じた映画も素晴らしかったですよね。
映画を見てからのほうがスムーズに物語を読めるかもしれません。

4.『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』/夢枕獏

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一 (角川文庫)

中国伝奇小説、執筆に17年かけたという著者畢生の大作シリーズです。
空海が唐に渡り、楊貴妃の謎に関わりそれを解明し、密教を得て帰国するまでのお話です。
こう紹介するとめちゃくちゃシンプルに聞こえますが、空海が呪術で妖物と対峙するシーンが違和感なく描写されています。

全4巻。文庫分にしてはそこそこ厚みがあるし、長いのですが、ページをめくる手は止まりませんでしたねぇ。

刊行当初から映画化が話題となっていました。
(いつだろう?いつだろう?)とワクワクしていたのですが、本作品が原作で、映画タイトルは『空海―KU-KAI―』となるようです。

2018年公開予定。日中合作ということからも、本作のスケールの大きさがわかります。

5.『影法師』/百田尚樹

影法師 (講談社文庫)

最近何かと過激発言の多い百田尚樹さんですが……

時は江戸時代の茅島藩(架空な藩)の下士の家に生まれ、幼い日に目の前で父親を切り捨てられた勘一(後の名倉彰蔵)と 中士の家の次男に生まれ、剣も才も人並み外れて優れた磯貝彦四郎。

彦四郎は「卑怯傷」を追ってその生涯を終えてしまいます。
頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。
勘一は親友がたどった生涯を調べ始めます。男の友情が描かれた作品です。

個人的に『永遠の0』の次に好きな作品です。

私にとっての時代小説:宮部みゆき畠中恵作品が圧倒的に多い

本当は10選にしたかったのですが、私は『時代小説』というジャンルではなく、宮部みゆき作品、畠中恵作品の時代小説が好き、なようです。
夢枕獏作品は先に述べたシリーズしか読んでいないので、ズルですが2作品紹介させていただきました。

オススメ時代小説がありましたら、ぜひ教えてください!

みくまゆたんさんに手相占いをお願いしてみたよ

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TwitterでこのようなTweetを見かけました。


というわけで、早速ココナラでみくまゆたんさんのサービスを購入。

手相占いさせて頂きます 占い好きな方・何か悩みを持っている方など。どんな悩みにも!

 

「手相占いなんて信じてないわ」と思ったりしていませんか?
実は私もそうした「信じていない」側の人間です。

今回購入した理由は2つあります。

1. ワンコインの超お手頃価格
2. みくまゆたんさんの言葉の使い方、選び方が好き

結果は……期待の斜め上を行くクオリティでした。

これからは『感動のシェア』が大切な時代になると考えている中、これほど感動させてくれるサービスはないのでは?と思いました。

左手について一部抜粋。

まず、左手から見ていきますね。
左手は、持って生まれた運気・先天的な運気・元々の性格を表します。

生命線と頭脳線の始まりが少し離れている方は珍しいのですが(実は、私もそうなのですが)思い立ったらすぐ行動できる行動力を持っている方が多いです。

元々、やりたいと思った事はすぐに行動できるタイプの方が多いです。

細かい線も全体的に少なく、あまりクヨクヨ悩まない方が多いです。

感情線が真っ直ぐ綺麗に一直線で長い方。
「こうだ!」と思ったら突き進むタイプが多いのですが、恋愛面では真面目に重く考えすぎてしまい損する事もあるので柔軟に構えてくださいね。

仕事運は、運命線・向上線・職業線で見るのですが、左手で確認できたのは生命線に向かって伸びている向上線。

年齢でいくと、30~35歳の間位に一本の向上線が上に向かって伸びています。

これを開運線といって、この時期に仕事面などで大きなチャンスを得たり大きな環境の変化が訪れます。

また、60、80位に障害線(生命線を遮る線)があるので、お身体には気をつけてくださいませ。

次に、頭脳線見てみます。

頭脳線が短い方は何事もパパッと考えて決断を下すタイプに多く、頭脳線の向き方を見ると横向きに短く伸びており理系の考えの方が多いです。

頭脳線の先が2つに分かれているのですが、これを二股頭脳線といいます。

2つ以上の異なった才能、価値観を同時に使いこなすことができる方が多く、副業されてる方や同時に沢山の仕事をこなしている方に多い手相です。

一部じゃなくてほぼ抜粋かも……左手はずばり私そのものでした。

続いて、右手について一部抜粋。

次に右手みてみます!

右手は、今まで努力して得た運気・現在を表します。

頭脳線が二重にあり二重頭脳線ですが、これは頭がかなり良い方やまたは語学を身につけると出てくる方が多いです。

若い頃に、語学を沢山勉強されてきたのかもしれません。

生命線の先が2つに分かれています。

これを旅行線ともいいますが、内容は実家から離れたところで活躍する人が多かったり、外へ外へと活躍の場を求める傾向が強い人が多いです。

夢や興味があることにどんどん取り組む事で、運気を上げられるし活躍の場を広げられる方かと思います。

狭い視野で物事を見るのではなく、どんどん外へ視野を広げる事で活躍の場も更に広がると思います。

現在は、生命線と頭脳線の始点がくっついて思い立ったら即行動から少し考えて行動するように変化してきていますが、全体的に外へ活躍されるのが好きな方で、これからどんどんクリエィティブな仕事が伸びてくると思います。

多方面で仕事するということは、それだけ脳も沢山使うし、大変かと思いますが、持ち前の機転の良さとバイタリティで乗り越えてくださいね!

特にうれしかったのは、「若い頃に語学を沢山勉強されてきたのかもしれません」という言葉です。

幼い頃、それこそ幼稚園に入る前から英会話教室に通っていて、英語は私の周りにある『当たり前』のことでした。

高校受験、大学受験では本当にたくさん勉強したし、それがしっかり手に表れていることを、誇らしく思うことができました。

あとに述べられていることも、ズバリその通り!です。

みくまゆたんさんの手相占いで、私はこれから「まだまだ」なんだと思えたし、自分自身で切り拓いていけるんだと、勇気づけられました。

「大丈夫だよ」と背中をやさしくぽんっと押してもらった気分です。
ますますみくまゆたんさんのファンになりました。

みくまゆたんさんの言葉の使い方、ステキだと思いませんか?

「信じる」「信じない」は別として、相手を思いやる気持ちがあふれるみくまゆたんさんの手相占い、購入して損はないですよ。

【書評】9月も無事公開!~毎日たくさんの本が発行されている~

一昨日はとある企業の社長様のインタビューへ。
昨日はとある件の打ち合わせと対談でランサーズ本社へ。

公私ともにいろいろあり、正念場です。
ターニングポイントだといいな。

さて、9月も無事書評が公開されました。今月も2冊です。
小さい文字のところが書評になるので、お時間ありましたら読んでみてください。

『十三階の女』
作者:吉川英梨
書評:強靭かつ繊細。異質な存在感を放つ、女性公安刑事が主人公のノワール小説 

十三階の女

十三階の女

 

今年一番のインパクトを受けた、と言っても過言ではない作品です。
作品にのめり込み過ぎて、書評が書けないほどでした。

切なく、そして、えぐい。
女性作家だからこそ描けるノワール小説です。

ニューヒロイン誕生!といったところでしょうか。

読み終えた後、このヒロインがどう生きていくのかもっと知りたい!と心から思いました。

続編が「小説推理」11月号から連載スタートということで、ワクワクしています。

個人的には何らかの形で映像化されてもおかしくないと思っています。
それくらいの”推し本”です。(だから読んでみてね!)

『恋の法廷式』
作者:北尾トロ
書評:濃密な人間ドラマを描く、恋愛裁判だけを集めた異色の裁判傍聴記 

恋の法廷式 (朝日文庫)

恋の法廷式 (朝日文庫)

 

男女関係の裁判にスポットをあてた傍聴記録、です。
不謹慎かもしれませんが、これを読んで傍聴に行きたくなりました。

「刑事事件に発展しそうかな……」という興味深い事案があるので、チェックしておこうと思います。

今月は2冊とも新刊で、書店に並ぶ少し前に献本いただきました。
愛おしくてたまらない気持ちになります。

Kindleのほうが軽くて便利なのだとは思いますが、紙の質感、フォント、行間、それらすべてを感じられるのは、紙媒体ならではと思います。

ちなみに、『十三階の女』のヒロイン以外の登場人物の名前に、とある共通点を見つけて、これは意図的なものなのかどうか気になり、失礼ながらも作者の吉川さんがTwitterをされていたので、直接伺ってみました。

「そういえばそうですね。偶然です。」

と、とてもフラットにお返事をいただきました。

物語りにも絡められる共通点だったのですが、読者にとってそれが大きなポイントになるだろうか、と客観的に考え、結果、書評には書きませんでした。

書かなくてよかった……とほっとしています。

おお!これはかなりうれしい! 

「神戸 #ライター交流会」レポートその3~交流会とまとめ:関西人魂が世の中を面白くする!~

その1、その2ともに(私が思っていた以上に)たくさんの方に読んでいただいたようで。本当にありがとうございます。
読みやすく、かつわかりやすい内容であればうれしく思います。

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その3では、その2で予告した通り、交流会の様子と、個人的な感想や興奮もりだくさんで書くので、「レポート」という位置づけではありません。
それでも、「交流会は苦手」という人にとって、ちょっとでも交流会へのハードルが下がることをお伝えできれば、と思います。

私が「神戸 #ライター交流会」に参加した理由

毎度私は「交流会は苦手」と公言しています。
そんな私がこの「神戸 #ライター交流会」への参加を決意したのは、「理系ライターズ チーム・パスカル」の存在でした。
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私は理学部物理学科出身です。多くの仲間が修士課程に進む中、存在するかもわからない素粒子を探すことに疲れ、学士で卒業しました。

実はこのケースは非常に稀です。物理学科と数学科は理学部の中でも特殊で、ほぼ全員が修士、博士号を取ります。

学士で卒業し、理系分野とはまったく関係ない業界に就職した私にとって「理学部物理学科」はコンプレックス以外のなにものでもなかったんです。

それを払しょくしたい、そんな想いから参加しました。

ちなみに。コンプレックスではありますが、理系畑にいて、伝える力を持っているってものすごく強みなんですよ。

実際の交流タイムで交流した方々

お名前を出ししていいのか迷いましたが、出します。
「ちょっと、それは困るよ!」などクレームが来たらソッコー削除しますので、クレームもお寄せ下さい。

チーム・パスカルの大越さん

質疑応答タイム終了後、真っ先に向かったのは、チーム・パスカルの大越さんのもとでした。

グループディスカッションの際、登壇者に質問したいこと、を各自出し合ったときの私の質問は「誰でもチーム・パスカルを名乗っていいですか?」だったからです。
そのまま尋ねたら苦笑いされてしまいました。

恥ずかしながら、チーム・パスカルの名前を知ってはいましたが、きちんと調べていたわけではなかったのです。


帰宅してからですが、チーム・パスカルのサイトを覗いて慄きました。
こんなにもすごいメンバーが集まっていたのか、と。
なんて恐れ多い質問をしたことか……

teampascal.jimdo.com

それでも、大越さんは私の話を真剣に話を聞いてくださり、営業のやり方などていねいにアドバイスをくださいました。

私が目指したいところが明確になりました。本当にありがとうございました。

登壇者の近藤雄生さん

同じく、チーム・パスカルのメンバーでノンフィクション作家の近藤さん。
講演内容のすばらしさとなぜだか感謝の気持ちを伝えたく、コソコソと近づきました。

近藤さんはとっても気さくな方で、しばし理系話で盛り上がりました。
物理学を専攻したかったこと、私は天文学を学びたかったこと、などなど。

「制限があるからこそ工夫が生まれる」
この言葉に感銘を受けました。大事にしたい言葉がまた増えました。
私も常々そう思いながらWebですがカタカタ打ち込んでいます。
制限がない文章を書くことは正直苦手です。

かなりの時間、近藤さんを独占していたかと思います。

そのあと、近藤さんの計らいで、チーム・パスカルの女性メンバーにごあいさつさせていただくことに。

チーム・パスカルステキ女子お二方

お二方ともガチ理系出身。とても気さくな方で一気にファンになりました。
1人は小説家で、もうお1人は料理研究家です。多才過ぎます。

「理系出身って名乗っちゃえばいいよ!」
「物理は需要があるよ!」

と勇気づけてもらいました。
(なので、SNSにちょこちょこ”理系”を出現させたというわけです)

というわけで、交流会ととはいえ、拘留させていただいたのはチーム・パスカルさんのみ、という感じです。

話しを聞いてみたいと思う人には話しかけるべき

「交流」が苦手な人は、別に無理して交流しなくていいと思います。

人脈づくりはもちろん大事ですが、自分の心に負荷がかかるような人脈をつくる必要はないと、個人的に考えています。

ただ、話を聞いてみたい!という人が登壇者あるいは参加者の中にいる場合は別です。
そこは何が何でも勇気を出して話しかけるべきです。だって、そこには収穫しかないからです。

撤収のお手伝い

予想通り交流会は時間を大幅に押しまして、主催者側は撤収に大忙しです。

地元で帰宅時間を気にする必要もまったくなかったので、撤収もちらりとお手伝いさせていただきました。

前々職で少し似たような仕事をしていたので、撤収を急がなければならないということもよくよくわかっていたし、あわよくば、ノオトやチーム・パスカルの皆さんと仲良くなりたい、という腹黒い名目もありましたし。

帰り際は、みなとこうべ花火大会から帰ってくる人の流れに巻き込まれましたが、花火を観ることもできました。

時間がある方は、ライター交流会などで撤収のお手伝いもするといいと思いますよ。
イベント開催の大変さも学べます。

おまけ:ケータリングがステキ

話に夢中になり過ぎて、ケータリングはほとんと食べていません。
神戸ゆかりの文豪にちなんだメニューが用意されていました。

宮本輝村上春樹が神戸ゆかりであることに慣れきっていたので、それが感動を呼ぶというのは、ある意味新しい発見でした。

料理のステキさはヒトミさんがツイートしてくれています。


ノオトさんの「#ライター交流会」は参加費以上に得るものがあります。
交流会が苦手という人も、機会があれば一度は参加してみてください。
「やっぱ交流会は苦手やわぁ~」ということを再認識するのも、気づきの一つですしね。 

ノオトさんの「#ライター交流会」は、たじーさんが発信してくれています。

その4までいこうかと思っていましたが、その3で完結です。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます!!!

「神戸 #ライター交流会」レポートその2~合同質疑応答タイム:関西人魂が世の中を面白くする!~

「神戸 #ライター交流会」レポートその1。

思っていた以上にたくさんの方に読んでいただいるようで、うれしく思います。
感想を言ってもらったり、☆をつけてもらったり。本当にありがとうございます。

komsuke56.hatenablog.com

『鉄は熱いうちに打て』

ということで、レポートその1に続き、その2では合同質疑応答について紹介します。

個人的な感情をなるべき省き、レポートに徹しているので、熱量、温度感は伝わりにくいかもしれません。ご容赦ください。
私の「ワー!キャー!」はその3から盛りこんでいきます。

質疑応答スタイル

記憶がおぼろげですが、スライドには質疑応答ではなく”合同質疑応答”と書かれていた気がします。
そのスタイルは、一人ひとりが手を挙げて質問、というものではなく、各テーブルから一つ質問、というもの。

全部で9テーブル。質問も9個飛び出すということです。

他のテーブルがどうだったかわかりませんが、私が座っていたテーブルでは、感じの良い男性が指揮を執ってくれたので、自己紹介、名刺交換から質問をまとめるまでとてもスムーズに進みました。

私たちのテーブルはライターと名乗る人は私のみで、あとはコンテンツ運営者、企業の採用広報担当、人材教育のコンサルタント、大学院生と多様な顔ぶれ。皆さんのおかげで、交流会が苦手な私の肩の力が良い意味で抜けました。

私たちの質問は、「炎上はありか?なしか?炎上したときはどう回避すればいいか?」です。
この質問は6人のうち2人から出たもので、テーブル満場一致で決まりました。

質疑応答スタート

最初に言い訳しておきます。

質疑応答タイム兼交流会という時間になってしまったので、ケータリングを取りに行ったりそのまま話が盛り上がったりと、会場全体がガヤガヤしていたので、聞き取れない部分もありました。

ですので、ちょっと違っていたり抜けていたりしても、ご愛嬌ということでお願いします。

Q1.ノンフィクションライターになるきっかけは?

近藤:旅しながら途中途中で雑誌に記事を書いて送っていました。徐々に連載が持てるようになった。3年目ぐらいから食べられるようになったかな。中国とか本当に安くて、年収30万円で生活できるんですよ。海外だからできたけれど、逆に皆さんどうされてるのかな、と。

ヨッピー:ライターになりたくてとっかかりがないなら、まずブログをやりましょう。まずは書く。書きたいものを書いてみる。それが1番大事。

Q2.スベらないという判断はどうやってできますか?

これは、おもしろい記事を世に送り出しているヨッピーさん、社領さんに向けられた質問でした。

ヨッピー:昔ブログを書いてた時代に、どの記事がウケるかはわかるようになって、なんとなく理解してからライターになったから、今は世に出す前にわかる。

社領:最初の方はスベったこともあったと思うんですけど・・・(社領さんのお話が周りのガヤガヤで聞こえませんでした)

ヨッピースベった記事は"ただ読まれなかった"だけ。だから心配しなくていい。

Q3.おもしろい記事を書くコツは?

SEOを意識した質問です。それに対するヨッピーさんの答えは実にシンプルでした。

ヨッピー別におもしろくなくてもいいんじゃないですかねぇ。SEOを意識するってことは、検索流入で入ってくるってことじゃないですか。検索流入で入ってきた人たちって、おもしろさを求めているかというと、求めてないんですよね。検索で入ってきた人たちにとって、良い記事を提供しようという意識でやっていけばいいんじゃないですか?本人がおもしろいことやりたいんだったら別ですけどね。

SPOTに、ヨッピーさんによる大阪観光の記事があります。これは検索で入ってきた人にとっても親切なんですよね、とおっしゃってました。本当に親切です。

travel.spot-app.jp

時間を押しているので、宮脇さんがどんどん進めてくれます。

Q4.売れるライターの共通点は?

これは、ライターじゃない方からの質問でした。

近藤: ライターで食べていくということは、依頼された仕事をしっかりやるってこと。クライアントの意図をちゃんと読めるか、ということは大事だなと僕は思います。意図を汲んで自分なりに形にできるかどうか。

ヨッピー気合いが入っている人です。

宮脇:気合いもそうですけど提案もできるんですよね。提案ができる人って重要ですよね。

近藤:クライアントに対して、言われたこと以上に、こうした方がいいんじゃないかって提案する。それってすごく大事で、それがうまくいくと信頼される。書く専門家だからこそ言えることってあるんです

ヨッピー:プロとして、クライアントの言うことをただ聞くだけじゃなく、おかしいことはちゃんと指摘できることが大切。

Q5.Web記事にも校閲があったほうがいいと思いますか?

かわいらしい女性からの質問。校閲に興味があることからこの質問が飛び出しました。ドラマ『校閲ガール』を思い出しました。

宮脇:えーっと、まずはヨッピーさんかな。校閲いります?

ヨッピー校閲はいりますよ。間違っていたときに、責任どうするのかって当然なりますからね。僕は必要だと思いますよ。理想として(校閲は)なきゃダメだと思います。そうあるべきだし、そうあるよう、みんなでしていけたらいいんちゃうかな。

近藤:▲▲社の校閲ってすさまじんですよ。(ここからは、そのすさまじさについて熱く語られます)。きちんとしてもらえると、ライターと校閲で信頼関係ができる。だから、校閲の仕事はすごく大事で、お金かけるべきだと思う

Q6.炎上はありか?なしか?炎上回避のコツ?

私たちのグループからの質問です。すっとヨッピーさんがマイクを取りました。

ヨッピー:炎上するかしないかは気にしなくていいと思います。僕もいつかはするだろうな、とは思ってたので。ただ、炎上商法は確実にやめたほうがいい。炎上マーケティングと呼ばれている人たちって、取れる選択肢がなくなってくる。ブランドもつかなくなるし、やりたいこともやれなくなる。批判は恐れなければならない。なぜなら、批判してくる相手は、こっちの言うことを聞く態勢ではないから。でも、自分の発言に影響力を持たせたいなら、批判されずに自分の我を通す方法を考えなければいけないんですよね。それを試行錯誤することが大事。炎上をビビる必要はないけれど、炎上はなるべく回避しようとしたほうがいいんじゃないかな、と思ってます。

社領:私、本当に炎上したくなくて。とにかくみんなが幸せになる記事を書きたい

宮脇:近藤さんは炎上とかあまり関係ないと思うんですけど。

近藤:炎上とかむしろうらやましい。炎上してるってちょっといいな、って。

Q7.駆け出しの頃、どうやって仕事を増やしていたか?

ヨッピー: 人生でライターとして最初にもらったのが1本2,000円。ちなみに経費も2,000円ですわ。最初は自腹切って書いてましたよ。書くことによって赤字になっていった。当時はそれでもいいやと思えるヤツしか生き残れなかった。繰り返しやっていくことで、だんだん(単価)を上げていったんちゃうかな~って思います。

宮脇:近藤さん、最初の仕事って覚えてます?

近藤:海外出てから、自分で記事を書いて出版社に送ってた。向こうはおもしろいものを求めているはずだから、完成品を送ればけっこう返事がくることがわかった。ヨッピーさんがおっしゃるように、マイナスからカタチにしていった。僕はそれを東南アジアで物価を下げることで維持してましたね。

ヨッピー:補足しておくと、何もブラックに働けってことじゃないんですよ。まともな会社だったら1万円の依頼に対して、10万円の仕事をしてきたら、次からはちゃんと10万円払おうってなるところが多いはずです。ただ後払いでしかない。最初、割に合わない状態は仕方ない。割に合わない状態が1年続いたら、向いていないのかもしれないし、足りていないのかもしれない。基本、ちゃんとやればあがっていくから大丈夫じゃないかな。

近藤:Webは個人個人で変わってくるってことですか?紙の場合は、原稿用紙いくらの話です。大御所が書いてもそう大差ない。僕の場合、東ティモールという国がちょうど独立20年で、1ヶ月くらいかけて書いて▲万円くらいかな。でもこれを10年後にやっても、大して変わらない。

ヨッピー:Webのいいところって誰かが見てくれてるところですよね。数値化されているので競争原理が働いてるんです。その点では公平かな、って思ってます。

Q8.仕事の選び方は?

ライターさんからの質問です。

ヨッピーインターネットにとっていいもの。そうじゃないものは書かない。自分本位じゃないです。

宮脇:社領さん、どうですか?

社領:私、自分本位で書いてるから、申し訳ないなって思います。まず、(自分が)会社にいる時点で会社にとっていいものであるか、宣伝になるか。自分の色を出せるものを書いているかってところを大切にしています。

近藤:ヨッピーさんのように、自分の信条を大切にしてますけど、依頼する人の情熱も大切だなって思います。依頼主の雰囲気がいいと、興味のないジャンルでもこの人と仕事したいと思う。

Q9.Web優勢だからこそ感じる紙媒体の良さは?

Webで書いていて、今年はじめて紙で出された方からの質問。

ヨッピー:紙で書いたことがないからわからない。

近藤:紙はクオリティの面で、制限があることが重要。サッカーで足しか使えないからこそ出る緊張感ってあって。文字も、2ページに収めなきゃいけない、写真の枠はこれしかない、小見出しつけたら間ができちゃったからずらさなきゃおかしい。そういうWebにはあり得ないことがあって、そこに工夫をすることで、技術がついてくる気がする。緊張感があって好き。制限があるからこそ、いろいろ工夫が生まれる

宮脇: 社領さん、紙やってみたいですか?

社領:紙はねぇ。実力が足りない。

宮脇: 紙とWebの違いって、届く人の範囲なのかな。

近藤さんは、紙にある不自由さに魅力を感じていて、そこに活路を見出そうとしているそうです。

質疑応答終了!(その3へ続く)

ヨッピーさんからは、次々と名言が飛び出しました。
社領さんの「みんなが幸せになる記事を書きたい」という想い、とてもステキですよね。
近藤さんの「紙の制限と緊張感、不自由さ」という話は、私の心にコーンと響きました。

60人参加とのことでしたが、きっと60人それぞれの質問、疑問があったことでしょう。

ちなみに私の質問は「チーム・パスカルって誰でも名乗っていいですか?」で、思い切り個人的な質問なので、交流会のときに、パスカルの大越さんに直接ぶつけてみました。このお話は次回のその3で。

私の感情や興奮を抜きにして、ライター交流会の”レポート”に徹したのはここまでです。この2でライター交流会の雰囲気は掴んでいただけるのではないかな、と思います。

その3の冒頭の話を少し。
「交流会が苦手」と公言する私が、勇気を振り絞り、参加を決意した大きな理由は、地元であることと、チーム・パスカルさんの存在です。

交流会への苦手意識を払しょくできたわけではありません。
でも本当に実りある1日でした。

このように、その3(場合によってはその4まで)以降は、主観を交えながら興奮や感動をお届けします。もしよければ引き続きお付き合いください。

※その3で終わります。(2017/08/10)

komsuke56.hatenablog.com

「神戸 #ライター交流会」レポートその1~トークセッション:関西人魂が世の中を面白くする!~

みなとこうべ花火大会と淀川花火大会が同日開催された2017年8月5日(土)。
鑑賞スポット近くにある、KIITO | デザイン・クリエイティブセンター神戸で、『神戸 #ライター交流会』がありました。

折にふれて「交流会は苦手だ」と言っている私ですが、心から(行ってよかった!)と思う交流会でした。

なんだかカタチとして残しておかないともったいない気がするので、神戸ライター交流会の開催概要からトークセッション、質疑応答タイム、交流会の様子や参加した感想を3~4回に分けてご紹介します。

全部まとめて紹介すると、とてつもなく長くなってしまいますし、実際の交流会でも合間合間にトイレ休憩があったので、読んでいただく方もそれぞれのテンポで読み進めていただけたらと思います。

今回は開催概要とトークセッションについての紹介です。

『神戸 #ライター交流会』開催概要

kobe01.peatix.com

コンテンツメーカーの有限会社ノオトが企画・継続しているクリエイターのためのイベント、それが『#ライター交流会』です。
2017年2月に開催した『地方在住ライター会議 ~脱・東京の働き方~』の参加者のうち25名が東京、30名が地方であったことから、今年の春から全国で開催されはじめました。

以下、開催概要、タイムテーブル、ゲスト(一部省略)の参照元はイベント紹介ページとなります。

開催概要

日時:8/5(土)16:30受付開始、17:00開始、19:30終了予定
場所:KIITO 301
住所:兵庫県神戸市中央区小野浜町 1-4 デザイン・クリエイティブセンター神戸
主催:有限会社ノオト
協力:大越 裕(パスカル)、宰井 琢騰

タイムテーブル(予定)

16:30 受付開始
17:00 トークセッション:関西人魂が世の中を面白くする!
17:45 休憩+グループ分け+質問検討
18:00 質疑応答
18:20 交流会(軽食、ドリンク付き)
19:30 終了+後片付づけ
20:00 完全撤収

ゲスト

近藤雄生(こんどう・ゆうき)さん

ライター、理系ライター集団「チーム・パスカル」メンバー。
ウェブサイト:www.yukikondo.jp
Twitter:@ykoncanberra

ヨッピーさん

Webライターとして「オモコロ」「Yahoo!Japan」「トゥギャッチ!」「ぐるなび」「ライブドアニュース」「ねとらぼ」「オモトピア」など多数の媒体で活躍中。
Twitter:@yoppymodel

社領エミ(しゃりょう・えみ)さん

株式会社人間の書けるムードメーカー、Webを中心におもしろい記事を書こうと日々奮闘しているライター。
Twitter:@emicha4649

宮脇淳(みやわき・あつし)さん

コンテンツメーカー・有限会社ノオト設立者。
「品川経済新聞」編集長、コワーキングスペース「CONTENTZ」管理人、コワーキングスナック「CONTENTZ分室」オーナー。
Twitter:@miyawaki

トークセッション

ここから司会は宮脇さん、敬称略で紹介していきます。
まず登壇者お三方の自己紹介から始まりました。

宮脇:登壇者の皆さんの自己紹介からお願いします。では近藤さんから。

近藤:大越と一緒に理系ライターズ、チーム・パスカルで活動しています。個人としてはノンフィクションを書いています。
大学院卒業後、ライターとして活動していこうと思ったのですが、日本でライターとして食べていける気がしなかったので、東南アジアなら生活費が安いし、100万円くらいあれば、3年くらいはライターとしてやっていけるだろうと思って、日本を出ました。
5年ほどユーラシア大陸を横断して、ライターとして、物書きとして活動しています。

雑誌新潮45で『吃音と生きる―百万人の知られざる苦悩』という連載を持たれている近藤さん。今度書籍化されるそうです。

宮脇:ありがとうございます。はい、ヨッピーさん。よろしくお願いします。

ヨッピー:ヨッピーと申します。元々サラリーマンをしてたんですけど、30くらいで会社を辞めまして。
インターネットでブログを書くのが好きで続けていたんですけど、それつながりでちょろちょろ仕事がきて、気づいたら転職活動もしないまま今に至るという感じですね、はい。
最近はSPOTというメディアを一生懸命やってまして。キュレーションメディアが調子こいてうっとおしいので、ちゃんと取材して書こうと思ってます。こちらは常にライターを募集しているので、皆さんにも書いていただけたらな、と思います。

宮脇:じゃあ次、社領さん。社領エミさん。よろしくお願いします。

社領:株式会社人間というところからやってきました。ここ2年くらいヨッピーさんの記事を2~3倍くらい薄めた記事を量産してるんですが、Webを中心としたライティングをやっています。

ヨッピーさんと社領さんは少し前に一緒に仕事をされたそうです。

persol-tech-s.co.jp

理系ライターの近藤さんも「わかりやすくて的を射ていましたよ」とおっしゃってました。

Q1実際儲かるのか

司会者の目線はすっとヨッピーさんの方へ。

ヨッピー:いや、そんなに儲かってないですよ。どうしたらいいんですかね。いや、儲かってますよ、多分。ただ僕、声を大にして言いたいのは、手間暇かかってますよ。時間もお金もかかるので、その分予算も大きいというだけです。

もらったお金は無駄に使ってしまうというヨッピーさん。
あまりにも支持がなく飲み会も誘われないので、ヨッピーと5回飲んだらハワイ旅行があたるというキャンペーンをやったこともあるのだとか。(クリアするのに半年かかったらしいです)

宮脇:社領さんは目指しているところ何かありますか?

社領:ヨッピーさんってフォロワー何人くらいでしたっけ?
ヨッピー:9万人くらい?僕より上なんていますけど、PV数とかで言えば、僕、勝っちゃうんですよね。
社領:ファンを増やしていきたいです。ファンを増やすために意識してることってあるんですか?
ヨッピー:ないですよ。
社領:純粋に記事だけ?
ヨッピー:純粋に記事だけ。あとはみんながやらないことを代わりにやるだけ。期待に応えることが大事なんですよ。

Q2.いまホットなライターって誰?

近藤:ノンフィクション作家の石井光太さん、角幡唯介さん。ちょっとライターとは違うかな。

ヨッピー:童貞東大生の高野りょーすけ。彼を贔屓にしていて、イチオシですね。気合いがすごい。

travel.spot-app.jp


社領
: 今日も来てもらってるんですけど、かのうしゃちょうさん。気合いの入り方がすごい。予算こんだけやでって言っても、それ以上使ってくれてると思うし、納期について無茶を言ってもすごいいいものを出してくれる。

yurudie.com


宮脇:僕が注目しているのは林雄司 (@yaginome) さん。

portal.nifty.com

”ホットなライター”と表される方々は文章がうまいライターではなく、気合いの入り方がすごいライターである、ということがわかりました。

Q3.注目のメディアは?

ヨッピー: オモコロの文字そば。

omocoro.jp

写真を一切使わないの。文章だけだから新しい脳みそを使う。文章そのものにフォーカスをあてるので、勉強になる。これねぇ、やんないとダメだと思う。この記事がどうかは置いといてね。

宮脇:これ、実況中継できないですよ(笑)。ネットの原稿って写真と連動させることが多いですよね。

社領:私がやっているのって、マンガ的なものなんですよね。テキストの力を磨きたいなっていうのはあります。

近藤:僕の場合、紙メディアになるんですけど、新潮社の『考える人』。(今年春より休刊)紙とWebでは、拡散という意味で紙の無力さを感じますね。
紙の良さって「制限があること」。このページのここまでしか書けないっていうのは、文章のクオリティに関係していると思ってるんです。とはいえ、どれだけの人が読んでいるのか、という現実がありますね。

(ここからは『雑誌』が立たされる厳しい現実、暗い話がしばし続きます……)

ヨッピー
:(雑誌のオファー)ありましたよ、断りましたけど。雑誌の連載ってやっぱりファンが増えないんですよ。ファンを形成するって大事だし、それをしようと思うとインターネットって大事だなって思うんですよね。

宮脇:メディアを運営する話になると暗くなっちゃいますね。

Q4.仕事を受注するために心がけていること

近藤: 理系ライターパスカルの場合、理系でチーム組んでライターやってます、とWebサイトで謳っただけで。
「理系 ライター」で検索すると僕らぐらいしかあがってこないんです。でも、理系の需要ってめちゃくちゃあるんです。
理系ライターっていっても、興味があれば、理系じゃない人でもなれるんですよ。

宮脇:難しいことをわかりやすく解説するってむちゃくちゃ重要ですよね。

近藤:そうですね。地域性で言うと、自分がそこに住んでいるからこそ書ける何か、ネタを見つけていくことは常に意識していたほうがいいのかな、と思いますね。

宮脇:ヨッピーさんはSPOTやってるので、割といろんなライターさんほしいわけですよね?

ヨッピー:関西は少ないかな、というか全体的に手薄ですよ。

社領:私は、株式会社人間の広報という存在でもあるので、どこまで体張らせてもらえるんか、どこまでおもろい要素を入れられるんかっていうのは重視していますね。ただ受注するために心がけていることは……あんまりないや。

ヨッピー:僕が心がけたほうがいいんちゃうかなって思うのは専門分野を作ること。
僕、ライターの仕事をはじめたとき、どのポジションを狙うかをけっこう考えたんですよ。最初狙いに行ったのが広告。広告の記事を書けるライターってポジション空いてるぞ、かつおいしいぞ、と狙って行ったらおいしかった。
考えなきゃならないのは、狙うポジションとそのマーケットの大きさ自分が行こうとしている業界がどれくらいのマーケットで、かつどのくらいライバルがいるかを考えると、おいしいポジションが必然的に見つかるんじゃないかな。

宮脇:意外と考えてるんですね。そう考えたら理系ってすごいですよね。

近藤:僕らはごまかす力がすごいというか。いまあらゆることがサイエンスにつながるじゃないですか。理系に抵抗がなければ、多分、やっていくうちにできるようになる。物理のことは難しいけれど、医療とかなら興味次第かな。

Q5.関西人魂を原稿に生かしていますか?

社領:関西人魂って何なんですかね?なんかネタを入れな気が済まんってところはあると思うんですけど。

宮脇:ヨッピーさんはぜったい生かしてますよね。

ヨッピー:調子に乗りやすいところ。僕は調子に乗りやすいところを長所として捉えてますよ。なるべく調子に乗ろう、と。

宮脇:たまに調子こいてる人に対してめちゃくちゃ厳しかったりしますよね。

ヨッピー:実態が伴っていない調子こきはね。実際、調子に乗るっていうのは「いいですよ、やりますよ。」と簡単に言っちゃうところ。フットワークの軽さですよね。無謀なこともついやってしまう。

~ここからは少し脱線~

東京出身の近藤さんは奥さまが京都出身で、海外生活が終わった後、奥さまの希望で京都に拠点を置かれたそうです。

宮脇さんの出身である和歌山は『近畿のおまけ』で、どちらかといえば奈良にシンパシーを感じるとか、そうした小話で盛り上がりました。

宮脇
:関西人のおもしろさって、僕の仮説ですけど『探偵ナイトスクープ』を見てるからかなと思うんですけど、ヨッピーさんどうですか?
ヨッピー:僕なんてほんとそうですし、今でもバイブルですよ。
社領:東京にわざわざ出る関西人ってかなりバイタリティがあると思うんですよね。だから「おもろい関西人」が行ってるはず。

というような話で、会場では常に笑いが起きていました。

Q6.フリー?会社員?人生100年時代の生き残り策は?

宮脇:この中でフリーランスといえばヨッピーさん。あと近藤さんもパスカルとはいえ、フリーランスですよね。社領さんは人間という会社の社員。
どっちがいいとか悪いとかではないんですけど、これからみんなめちゃくちゃ長生きすることを考えると、どうやって生きていこうって考えてますか?

社領:私、3日後のことしか考えてないかも。私の場合、マッチする会社と出会えたから上手くいってるんだと思いますけど。どうなんだろう、フリーランスの方が生きやすいんかな。

宮脇
:ヨッピーさんがフリーランスになったきっかけは?

ヨッピー:会社で転勤って言われて、転勤したくないなって。
フリーランスでお金稼ぐことってそんなに難しいことじゃない。サラリーマンで月収10%上げるより、フリーランスで月収10%上げる方が簡単なんですよ。
サラリーマンで月収30万円を10%上げようと思ったら上司にこびへつらい、キミいいね!って言われてようやく、じゃないですか。
フリーランスの場合、口先三寸(※これ、正しい言い方は舌先三寸です)でどうにかなるし、土日どちらか1日頑張ればいいわけだし、フリーランスのほうがいいと思うんですよね。

近藤フリーランスって思ったより稼げると思うんです。ただ、自分が弱ったときに崩れるなって。それが怖いですね。

ヨッピー:それはありますね。僕も病気して入院してたときは収入ゼロになりましたからね。

宮脇:なるほど。僕が質問として項目にあげたのは、ライターだけの仕事・書くだけの仕事だけで、ずっとやっていけるのかってことで。ヨッピーさんは企画的なこともやってますよね。

ヨッピー:僕、2016年の目標が記事を書く以外に仕事を増やす、だったんですけど、それができてなくて。2017年もそれを目標にしていて、そしたら・・・(これ以降はオフィシャルかどうかわからないので伏せます!)
ポジションを模索するタイプなので、いろいろやってます。生き残るために。(これ以降もオフィシャルかどうか分からないので伏せます!)

宮脇:社領さんは社員としてお給料もらっていると思うんですけど、何かありますか?

社領:今は記事のお仕事が来るのでそれを精一杯やるのと、社内の企画を精一杯やるってことをしてるんですけど・・・質問ってなんでしたっけ?
会社外で働くということはまだ考えてないですね。おもしろいことやものづくりもできる環境でもあるので。

トークセッション終了!そして・・・(その2に続く)

17時から始まったトークセッションは予定時間を20分ほど押して終了しました。

一部割愛していますし、言葉尻などは少し違うかもしれませんが、事実と異なる内容は書いていません、書いていないはず。

ヨッピーさんの「”マーケット×自分の好きなこと”でポジションをつくる」という話には、ハンマーで頭を殴られたかというくらいの衝撃を受けました。

いえ、基本中の基本なのですが、こうして言葉で簡単に説明できる人ってそう多くないでしょう。

近藤さんの「制限があること」には共感しました。
私もどちらかと言えば書いたものを削るタイプだし、いかにこの枠に収めるかが勝負な仕事もあるので、制限があるからこそ文章構成力が磨かれると信じています。

ブログで6,000字超えるのは初めて。本気のレポートです。
当日、参加したくても参加できなかった人に、少しでも伝わればいいな、と思います。

あと。写真がなくてごめんなさい。
個人的に、誰かがしゃべっている時に写真を撮ったり、スマホをいじったりするのが好きじゃないんです。
声だけではわからない熱量をちゃんと感じていたい、というのが私の信条でして。

 
レポートその2は、トークセッション終了後の合同質疑応答タイム、その3では交流会の様子、その4では個人的感想をお届けしていきます。
※できあがり次第ここに順次リンクを貼っていきます。

そして、この長文をここまで読んでくれた方へ。
感謝の念でいっぱいです、ありがとうございます。続きもよろしくお願いします。

※その2ができたので追記(2017/08/07)

komsuke56.hatenablog.com

※その3で終わったので追記(2017/08/10)

komsuke56.hatenablog.com